宗像三女神(むなかたさんじょしん)

<テーマ>

火之迦具土神を生んで黄泉の国に神避った伊邪那美を追いかけた伊邪那

岐は、醜い妻の姿を見て逃げ出してしまいます。そして、黄泉の国の

穢れを落とすために筑紫の日向の橘の小門(おど)の阿波岐原

(あわぎはら)で禊を行いました。伊邪那岐の持ち物や垢から二十三神

もの神々が生まれたあと、左目を洗ったときに生まれたのが天照大御神、

右目を洗ったときに生まれたのが月読命、鼻を洗ったときに生まれたの

が健速須佐之男命で、この三柱の神を三貴神といいます。伊邪那美は

三貴神にそれぞれ、高天原、夜の世界、海原を治めるように委任します

が、健速須佐之男命だけが海原を治めず泣きじゃくり、母のいる根の

堅洲国(ねのかたすのくに)に行きたいと駄々をこねました。そこで、

父の伊邪那岐は大変お怒りになり、須佐之男命を追放します。

須佐之男命は、殊勝にも暇乞いをする前に姉に報告をしようと高天原に

上って行きますが、姉の天照大御神は、弟が高天原を奪いに来たのだと

思い、戦の準備をして待ち受けます。やってきた弟に「おまえは何をし

にやってきたのだ」と問うと須佐之男命は正直に、自らに邪心のないこ

と、父から出て行けと言われたので暇乞いをするためにやってきたのだ

と答えます。その潔白を証明するために、二人は誓約(うけい/あらか

じめ決め事をしておいて、その結果によって神意を占う方法)をするこ

とになりました。天安河を真ん中にして立つ姉と弟。まず、天照大御神

が須佐之男命の腰に付けていた十拳剣(とつかのつるぎ)をもらい受け、

三段に折り、天真名井(あめのまない)の水をふりそそいで口の中に入れて噛み砕いて吹き出すと

三柱の女神が生まれました。息吹の霧から生まれたのが多紀理毘売命(田心姫神)、次に生まれたのが

市寸島比売命(市杵島姫命)、次に生まれたのが多岐津姫命(湍津姫神)です。次は須佐之男命の番です。

須佐之男命は天照大御神の身につけていた五つの勾玉をもらい受け、口に入れて噛み砕き、五柱の神々を

生みました。左の角髪(みずら)に巻き付けている勾玉から生まれたのは正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命

(まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)。右の角髪に巻き付けている勾玉から生まれた

のは天之菩卑能命(あめのほひのみこと/出雲国造の祖先)。かずらに巻き付けている勾玉から生まれた

のが天津日子根命(あまつひこねのみこと)。左手に巻き付けている勾から生まれたのが活津日子根命

(いくつひこねのみこと)。右手に巻き付けている勾玉から生まれたのが熊野久須毘命

(くまのくすびのみこと)。この誓約で天照大御神が生み出した三女神が宗像三女神です。

(三女神が生まれた順番は古事記、日本書紀、三女神を主祭神とする宗像大社の社伝それぞれに異なりますが、

ここでは古事記の説をとらせていただきました。)沖の島の沖津宮に鎮座する田心姫神、別名多紀理毘売命は、

天照大御神が吹き出した霧と関係のある名前と言われています。大島の中津宮に鎮座する湍津姫神の「タキツ」は

玄界灘の荒ぶる激流からの連想からと言われています。辺津宮に鎮座する市杵島姫命の「イチキ」は

「イツク(斎く)」の語源であるといわれ、「神として斎く島の巫女」の意味があると言われています。

 

<ご利益>

交通安全 商売繁盛 国家守護 航海安全 豊漁

<神社>

宗像大社(福岡県宗像市)

厳島神社(広島県宮島)

江島神社(神奈川県藤沢市)